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BDな日々

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医者とホセ・ムニョス展  

12月5日(木)にこっちで初めて医者にかかりました。

日本では10月末からずっと体調が悪く、風邪にしてはなかなかよくならないということで、11月後半になって、渡仏もあるし、いい加減病院に行っておくかと、近所の病院に行ったその日に、糖尿病と診断され、別の大学病院に緊急入院になりました。医者からは本来ならまだ入院をしていたほうがいいと言われていたのですが、せっかくの機会を不意にするわけにもいきませんし、ちょっとムリを言って退院させてもらっていました。入院当初は一日4回(毎食前と就寝前)インシュリンの注射をしていたのですが、しばらくしてから内服薬に変えても特に問題はなかったため、まだ心配ではあるけれどとしつつも、退院の許可をいただけたのでした。極力規則正しい生活をし、暴飲暴食をせずに、朝夕欠かさずに薬を飲まなければなりませんが、かえって自分の生活を見直す良い機会になったと思っています。ただ、日本の病院からは1カ月分の薬しかもらえませんでした。フランスでの滞在が長いため、こちらで病気の経過を見て、こちらの医師の判断に従ったほうがいいという理由です。そこで、薬にはまだ余裕がありますが、さっそく医者にかかることになりました。

フランスで医者にかかるのは初めてで、当然何もわからないので、とりあえず予約に関しては、こちらの知り合いにお願いしました。いわゆる病院とは異なり、4人のお医者さんが同じ建物の中に共同でオフィスを構えているクリニック的なところです。事前に住所を調べ、その場所に行くと、病院名が書かれたプレートが。道路に面して大きな門があり、マンションのインターフォンみたいな感じで数字のボタンが並んでいます。門は閉まっていて、どうすんの、これ? とりあえず大きなボタンを押すと、普通に開きました。数字のボタンは何か意味があったのだろうか? それとも大きなボタンは門の開閉用なのか? ともあれ、門をくぐると中庭があって、建物がいくつか並んでいます。前日に電話したときに2階だと聞いていたので、とりあえず1つ目の建物の2階にあがってみましたが、それらしいものはなく。どうもよくわからないので、もう一度電話すると、中庭の奥の建物だと教えてもらいました。

建物の中に入ると、改装中で黒人のおにいちゃんが階段の辺りで作業しています。昇っていいかと聞くと、今はダメとのこと。考え込んでしまいましたが、よく見ると、目の前にエレベーターが。まだフランスという国に慣れていないからか、あるいは僕が天然なのか、周囲がよく見えていません。とにかくエレベーターに乗ると、自動ドアの向こう側にさらに手動の扉があって、一瞬まごつきます。機械の中に手動の部分が残っているのが面白い。メトロなんかもそうですよね。ドアの開閉がボタンを押すタイプだったり、ハンドルを回すタイプだったり。もちろん自動もあるんですが。

ようやく病院の受付に到着。受付には女性が一人座っていて、待合室で待っているように言われました。日本のように病院の入り口辺りに椅子やソファが並んでいて待合室になっているという感じではなく、こじんまりした部屋が別に用意されています。中には順番待ちの人たちが10人ほど。待っている患者のために新聞や雑誌が用意されているところは日本とあまり変わりません。

日本だと病院では相当待たされるわけですが、フランスではあっという間に呼ばれます。ものの5分もしないうちに先生自らが待合室に入ってきて、「ムッシュー・アラ」と呼ばれました(フランス語ではHの音は通常発音しないので、HARAはアラと発音されます)。

先生の診察室というかオフィスに通され、日本の医師が英語で書いてくれた紹介状を見せます。ふむふむ、へー、糖尿病なんだ。ほう、一カ月で13キロも痩せたの? そりゃ、本物の糖尿病だねえ。家族に糖尿病の人いる? などと日本でなされたのとほぼ同じ会話が繰り広げられ、特に診察という感じでもなく、薬の処方箋を書いてもらい、あとは1月の初めに採血をすると言われました。薬は処方箋を持って薬局に行って買うように言われました。これは基本日本と同じですね。採血についてはどこでやるのかと聞くと、ラボラトワール(英語のラボラトリー=研究所・研究室と同じ単語ですね)というところでやってもらってくれと言われ、住所を教えてもらいました。ラボラトワールって何だかかっこいいなあ。その結果を見て、必要であれば何か別の処置をするとのこと。面白いのが診察代を直接医者に払うという点です。お釣りを先生が自分のポケットから出したりするのが楽しい。受付の人はほんとに受付業務だけなんですね。

別れ際にちょっと雑談になり、BDの翻訳をしている、メビウスとか知ってるかと聞いたら、もちろんという返事。なんと若い頃はBDの大ファンで、2000冊は持っていたとか。ジャン・ジローの『ブルーベリー』は知ってるかとか、ジャック・タルディは? エドガー・ピエール・ジャコブの『ブレイクとモーティマー』は? などと聞かれ、思わず盛り上がり。最後はがっしりと握手をして、その場を辞しました(笑)。

帰宅すると、ニコラ・ド・クレシーからメールが。僕が住んでるところからほど近い画廊で、BD作家の展覧会があり、そのオープニング・パーティーが行われるんだけど、来ないかというものでした。なんとホセ・ムニョスの展覧会です! これは行かないわけにはいかん。

マジャンタ大通りを渡り、よく買い物をするモノプリというスーパーのある狭い通りへ。モノプリを超えてしばらく先にある路地を左に曲がると、目的のマルテル画廊がありました。展覧会会場になっている画廊のHPはこちら

会場の様子
expo_exterieur.jpg

ホセ・ムニョス展ポスター
expo_affiche.jpg

展覧会会場でニコラ・ド・クレシーと彼女のイザベル・ボアノと再会。1カ月ほど前に東京で何度も会っていたので、あまり久しぶりという感じでもありません。

ニコラ・ド・クレシー
Nicolas.jpg

イザベルもアーティストで、『パリジェンヌの楽しいおかたづけ』(発行:ジュウ・ドゥ・ポゥム、発売:主婦の友社)という本を日本で出していたりします。

しばらく歓談したあと、偶然会場に来ていたルスタルに挨拶しました。ルスタルは、日本では代表作のBarney et la note bleue(『バルネとブルー・ノート』)が、昔、雑誌『ウォンバット』に抄訳されたのと、単行本としてはLoustal Voyage en Méditerranée, quelques escales dans les îles du sud(邦題は『ルスタル作品集』でよかったっけ?)で知られているだけですが、フランスではBDを代表する巨匠の一人です。2010年には来日し、ルスタルがお好きだという寺田克也さんとの対談も行われました。写真を撮らせてもらうのを忘れましたが、変わらず元気そうな様子でした。春ぐらいに出るアートブックに、他の国を訪れたときの作品と一緒に日本を訪れたときに描いた一連の絵が入るそうです。

『ルスタル作品集』
『ルスタル作品集』

代表作の『バルネとブルー・ノート』。
barney (478x640)

実在のサックス奏者バルネ・ヴィランを主人公に虚実を織り交ぜて描いた激シブ作品です。ダヴィッド・プリュドムのRébétiko(『レベティコ』)と並んで、音楽をテーマにしたBDの双璧。

『レベティコ』
rebetiko (400x512)

肝心のホセ・ムニョスの展覧会ですが、2013年11月に出たばかりの、フランスの小説家アルベール・カミュの未完の自伝的小説『最初の人間』の挿絵本の原画展でした。本そのものはこちらです(手持ちのノートPCだと版元のフュチュロポリスのサイトが重すぎて開かないので、アマゾンをリンクしてます)。

ちなみにムニョスはカミュの『異邦人』にも挿絵を入れています。

ひょっとしてムニョス本人がいるのかと期待に胸を膨らませて来たわけですが、いらっしゃいましたよ、ホセ・ムニョス!
Jose_Munoz.jpg

スペイン語訛りの強いフランス語で仰ってることのすべてはわかりませんでしたが、とにかく大ファンですと伝えると、うれしそうに肩を叩いてくれました。

ホセ・ムニョスと言えば、Alack Sinner(『アラック・シナー』)。
alacksinner (387x549)

警官崩れの探偵を主人公に据えたやや重いテーマの作品ですが、絵がとにかくすばらしい。ところどころ、松本大洋さんを思わせるところがあったりします。

会場に入ってからずっと気になっていた若い作家さんが会場にいて、ずっとこの人はもしや……と思ってたんですが、聞いてみたら、やっぱり! マヌエーレ・フィオールでした!
Manuele_Fior.jpg

Cinq mille kilomètres par seconde(『秒速5000㎞』)で2010年にアングレーム国際漫画祭最優秀作品賞を受賞した期待の若手イタリア人作家です。おおー、イケメン! 美人な彼女と一緒でした。作品の大ファンだと伝え(こればっかだなw)、いつかあなたの作品を日本語に翻訳するのが夢だと伝えたら、メアド教えてくれました。いえーい!

『秒速5000㎞』
フィオール『秒速5000km』 (458x640)

ということで、渡仏直後にして、新旧の大作家に会えて大満足な一夜でした。
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category: 日記

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コメント

さっそく精力的に動かれているんですねぇ。パリにはやはりいろんな展示会が開かれているから、現地滞在うらやましい限りです。ますます人脈広げて、3ヶ月後の再会、お土産話を伺うのがますます楽しみになってきました。

URL | Kigalisoupe #-
2013/12/08 22:40 | edit

おひさしぶりです、黒釜です。
渡仏活動、うらやましいです。記事を読んでいるだけでこちらもワクワクしてきました!
お身体だけはご自愛ください。
(自分も年齢的に他人事ではないです…気を付けます(>_<)

URL | Kurogamanga #-
2013/12/09 01:50 | edit

原さんこんにちは!

12月初旬から3ヶ月の滞在ということですからもう帰国されていると思います。
今更ながらこのブログを発見しました。
フランス滞在中はきっといろいろな経験をされたことだと思います。
このブログで、もしくはお会いした時にお話を聞かせていただくのを楽しみにしています!

URL | じゃんぽ〜る西 #-
2014/03/24 13:24 | edit

>皆さま

今さらながらのご返信お許しください。9カ月ぶりに更新しましたので、またよろしくお願いいたします。今度はちゃんと続けられるといいのですが…

URL | 原正人 #-
2014/09/22 22:21 | edit

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