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BDな日々

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『ふらんす』連載2回目とコミティア出展  

早いもんで、雑誌『ふらんす』5月号発売されましたー。
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「現代バンド・デシネをめぐる12章」2回目の今回は「BDの楽しみ方」と題しまして、フランス人はBDのいったいどこをおもしろがっておるのか問題に迫ってみました。
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もちろんフランス人全体を扱えるはずもなく、とりあえずその手がかりということで、身近なフランス人3人にインタビューして、それを手短にまとめています。インタビューに協力してくれたのは、おなじみユーロマンガのフレデリック・トゥルモンド、マンガの翻訳者セバスチャン・リュドマン、BD研究者ダニエル・ピゾリの3人です。セバスチャンは日本在住の翻訳家で、いろんな日本マンガを翻訳してるだけあって、かなりの目利き。彼にオススメしてもらった下吉田本郷さんの『アキンボー』はツボにはまりました。ダニエルは2013年にPLGという出版社からMoebius ou les errances du trait(『メビウス、あるいは描線の彷徨』)という研究書を出しています。

おっさんばっかじゃないかとか、プロっぽいヤツらばかりじゃないかとか、女性がいないじゃないかとか、いろんな不満が聞こえてきそうですが、そういったものにはとにかく耳を塞ぐしかありません(笑)。まあ、あくまでこういう問題を考えるための入口と考えていただき(入口は大事!)、あとは心ある人にもっと真剣かつ執拗に追ってもらえればと思います。

話変わりまして、前回のブログで紹介したニコラ・ド・クレシーの『プロレス狂想曲』ですが、フランスでも結構話題になっているそうで、いろんな雑誌なんかでも取り上げられているようです。『KABOOM(カブーム)』というBDとアメリカン・コミックス、マンガを平等に扱う気骨ある評論誌がありまして、そこでも大々的に取り上げられていますし、あとは『Télérama(テレラマ)』という日本の『ぴあ』をさらに上等にしたような週刊文化情報誌があるんですが、そんなところでも取り上げられるっぽい。あのニコラ・ド・クレシーが日本のマンガ誌に連載したという日仏マンガBD交流史のメルクマールとなる作品なわけですから、どんどん話題になるといいですね。がんばれ、『プロレス狂想曲』! 日本語版もよろしくお願いします!

で、『プロレス狂想曲』の連載を記念して、昨年の海外マンガフェスタ(今年は11月15日だそうですね!)のときに、ニコラ・ド・クレシーTシャツを作ったんですが、まだちょっと余りがあるので、5月5日(火)に東京ビッグサイトで行われるコミティア112で販売いたします。スペースはJ46aです。

Tシャツは2種類ありまして、1つは『プロレス狂想曲』からコマを切り抜いたTシャツ(グレー)。画像の選択はニコラ・ド・クレシー自身が行ってます。もう1つは、な・な・なんと! 大友克洋さんデザイン(ホワイト)! 
NicolasTshirt2a1.jpg
グレー表

NicolasTshirt2a2.jpg
グレー裏

NicolasTshirt1.jpg
ホワイト表 ※ホワイトにはバックプリントはありません。

詳細は以下の通りです。
■ド・クレシーイラストチョイスのTシャツ(グレー)1枚3200円
L身丈71 身幅53 肩幅46 袖丈21
M身丈68 身幅50 肩幅43 袖丈20
S身丈65 身幅47 肩幅40 袖丈19
WM身丈61 身幅43 肩幅38 袖丈16
※WMは襟ぐりが少し大きめに開いています。
生地は柔らかいライトウェイト

■大友克洋さんがデザインしたTシャツ(白)1枚3800円
L身丈74 身幅55 肩幅50 袖丈22
M身丈70身幅52 肩幅47 袖丈20
S身丈66 身幅49 肩幅44 袖丈19
※女性の方にはSがおススメです。
生地はしっかりめのハードウェイト。

僕もブースで1日ぽかーんとしておりますので、コミティアにいらっしゃるという方、ぜひ「やーい、やーい」と冷やかしにおこしください。もちろんご購入いただけるとありがたいです!
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category: 日記

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ニコラ・ド・クレシー『プロレス狂想曲』発売!  

翻訳を担当させていただいたニコラ・ド・クレシー『プロレス狂想曲』(集英社)が発売されました。
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元々は、『ウルトラジャンプ』2014年8月号から2015年3月号まで連載された作品です。BDが日本で出版される場合、フランスで出た作品の翻訳であることがほとんどなわけですが、この作品はなんとニコラ・ド・クレシーがウルジャンのために描いてくれた描き下ろし! ニコラ・ド・クレシーと言えば、1990年代のBDの最もとんがっていた部分を担っていた1人ですよ。そんな作家が日本でオリジナル作品を雑誌連載し、それが単行本化される日が来ようとは! 

フランス語版の原題はLa République du catch。直訳すると、「プロレス共和国」という意味で、作中に出てくる主人公と敵対する組織の名前です。ある意味、BDらしいネーミングかなとも思うのですが、日本語に訳した場合に元々のニュアンスがそのまま残るというわけでもなく、このタイトルだと日本人的にはちょっとわかりにくいかなということもあり、作者の了承を得た上で、「プロレス狂想曲」に変更とあいなりました。

ストーリーの概要はこちらをご参照ください。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-890149-7

今のところ『ウルトラジャンプ』の特設ページから、連載第1話分の試し読みができたりします。
http://ultra.shueisha.co.jp/artist/51/

ニコラ・ド・クレシー作品の読者にとってはおなじみのあんな要素やこんな要素がある一方で、今まで見たことがないような新しいチャレンジも満載です。そもそも2010年以降、BDをやめていたニコラ・ド・クレシーがウルジャンの連載をやろうと思った理由がこの新しいチャレンジでした。ド・クレシー作品はわかりにくいという印象が結構あったりするんじゃないかと思いますが(そもそも翻訳者にとってもわかりにくい!)、この作品を読むと、ちょっと変わるかもしれません。その辺の話は最新の『ウルトラジャンプ』2015年5月号の「ULTRA NEXT」というインタビューページで、翻訳の裏話と合わせてさせていただいていたりします。僭越ながらという感じですが……。
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ところで、『プロレス狂想曲』は、連載時はこんな感じで逆さまに印刷されてまして、雑誌をくるりと回転させると、BDを読む向きで普通に読めるというステキな作りになっていました。
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日本のマンガとは開きが異なる海外のマンガが日本の雑誌に載ることは過去にもあって、そういう場合は、たいがい巻末に掲載されてきたわけで、これって画期的な発明ですよね!? このすごい発明は寺田克也さんがご自身の単行本に採用されたもので、『プロレス狂想曲』の連載ではそのアイディアを拝借しました。こうすることで、海外マンガに特有の端っこに追いやられた感で寂しい思いをしなくて済みますし、日本のマンガとちょっと異なるものを読むよという心の準備もできるわけです(と編集長が言ってました)。こんな大胆な掲載法を採用してくださった『ウルトラジャンプ』編集部はエラい!

毎号、『プロレス狂想曲』の前のページには、「回転のお願い」ページが設けられていて、それを寺田克也さん、大友克洋さん、松本大洋さん、浦沢直樹さん、上杉忠弘さん、桂正和さん、真島ヒロさん、谷口ジローさんという、錚々たる作家さんたちが描いてくださいました。なんつー豪華さ! あいにくそれぞれの絵は単行本には収められていませんが、これらの作家さんたちにはニコラ・ド・クレシーやBD全体についてお話も伺っていまして、それをこちらのページで読むことができます。皆さんのニコラ・ド・クレシー愛、BD愛をご覧あれ!
「バンドデシネのススメ!!」
http://ultra.shueisha.co.jp/update/372/

『プロレス狂想曲』は、ニコラ・ド・クレシーが日本向けに描いてくれた作品で、まず日本の雑誌に連載されたわけですが、単行本は日仏同時発売となっています。いいですよね、こういうの。もっと増えればいいのに。で、ニコラ・ド・クレシーが送ってくれたフランス語版の写真がこちら。
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フランス語版は日本語版より一回り大きくなっています。値段は20ユーロと日本語版に比べるとかなり高め。表紙も違えば、紙質も違います。また、フランス語版には巻頭カラーがありません。やっぱり巻頭カラーは日本だけのものなのか!? フランスのニコラ・ド・クレシー・ファンがこの作品をどう読むのか、すげー気になります。

ちなみに、フランスのBD作家が日本でオリジナルマンガを描いた前例としては、1990年代の『モーニング』の試みなどがあったりします。当時の『モーニング』のことは、昔、文章にまとめたことがありますので、ご関心がある方はぜひ読んでみてください(「1990年代『モーニング』の海外マンガ紹介について」『マンガ研究』Vol.13、2008年4月)。「海外マンガ紹介」とか控えめなタイトルをつけていますが、そんなぬるいレベルではなく、マンガ=世界マンガであるという野心を早々に抱き、攻めに攻めまくった、世界に類を見ない先駆的な試みです。

『モーニング』の試みからはや20年余。これだけネットが普及しても、まだまだマンガ観の違い、文化の違い、やりとりの難しさなどがハードルになっていて、アジアの作家ならまだしも、欧米の作家が日本の雑誌で連載をするのは、そう簡単ではないようです。ニコラ・ド・クレシーのこの作品が引き金になって状況が変わったりすることがあるのかないのか、今後が楽しみなところです。逆にフランスやアメリカで日本人の作家さんがオリジナル作品を発表することも何年も前からあったりしますし、国際的な交流がどんどん進んでいったらおもしろそうですね。

category: 日記

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現代バンド・デシネをめぐる12章  

ブログってのはなんでこうも更新できないものなのか……。文章自体はそれなりに書いているはずなのに……。
ということで、前回からまたまた約7カ月ぶりの更新となってしまいました。今年こそはもうちょっと更新したい……。

『かわいい闇』(河出書房新社)のインタビューの続きも掲載しなければならないのですが、いろいろ心の準備が必要になってくるので、まずはあんまりハードルを上げず、とりあえず身辺雑記を。

その後、いろいろとBDの翻訳を出させていただいているのですが、最近ではパイインターナショナルさんからユマノイドの作品をいろいろ、あとは飛鳥新社さんからユーロマンガ・コレクションということで、2月にトマス・デイ作、オリヴィエ・ルドロワ画『ウィカ―オベロンの怒り』という作品を出させていただきました。

『ウィカ』については、ユーロマンガ編集部がフランスで収録してきたインタビューがYouTubeで見れたりしますので、そちらもご覧ください。
https://www.youtube.com/user/MrEuromanga

こんな感じで翻訳のほうはボチボチやらせてもらっていますが、今年はありがたいことに白水社さんの雑誌『ふらんす』でBDについて連載を持たせていただけることになりました! 『ふらんす』と言えば、1925年に創刊され、今年90周年を迎えるという実に由緒正しい月刊誌ですよ。フランス語学習とフランス語圏文化の紹介と言えば『ふらんす』という感じで、僕もフランス語の勉強をしている頃には大いにお世話になりました。
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そんな『ふらんす』に連載させていたく記事のタイトルは「現代バンド・デシネをめぐる12章」。何だか立派なタイトルになっちゃって、看板倒れにならないかちょっと心配ですが……。BDのさまざまな局面に焦点を当てつつ、その輪郭をなぞっていくことで、フランスにおけるBDの全体像がぼんやりと見えてくる、みたいな連載になればと思っておる次第です。3月末に刊行された4月号掲載の第1回は、「BDとともに生きる」。シャルリ・エブド事件からアングレーム国際漫画フェスティバルの紹介、そこから見えてくるBDの今というような話をしています。
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ところで、雑誌『ふらんす』には、過去にもBD関連の連載がありました。

貴田奈津子「9番目のアート バンド・デシネ案内」(1998年6月号~1999年3月号)
笠間直穂子「モノクロBDを撃て! フランス漫画のアンダーワールド」(2007年4月号~9月号)
笠間直穂子「今月のBD」(2009年4月号~2010年3月号)

どれもすばらしい連載なので、BDに関心がある方は、ぜひ図書館などでバックナンバーを探して読んでみてください。

ちなみに笠間直穂子さんは、昨年、BDの通史をまとめた貴重な論文を発表されました。

笠間直穂子「フランス=ベルギー系漫画小史 黎明期から今日まで」『國學院雑誌』第115巻11号

日本語で読めるコンパクトな通史としては、それ以前に貴田奈津子さんの「バンド・デシネ=その誕生と変遷」(『フランスコミック・アート展2003』図録に掲載)という、これもまたすばらしい文章がありましたが、書かれたのはもう10年以上前になります。歴史的な事実を知る上ではあいかわらず有用ですが、最新の情報を知りたい方は、笠間さんの文章を当たってはいかがでしょうか。

『ふらんす』に話を戻すと、実は、『ふらんす』には、過去にBD作家の連載もありました。
ニコラ・ネミリ「12 môme(12人の子どもたち)」(2010年4月号~2011年3月号)
ルイス・トロンダイム「トロンダイムの徒然日記Japon編」(2011年4月号~2012年3月号)
ルイス・トロンダイム「トロンダイムの徒然日記」(2012年4月号~2013年3月号)

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「12 môme」(2010年4月号)

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「トロンダイムの徒然日記Japon編」(2011年4月号)

ニコラ・ネミリの連載は翻訳を、ルイス・トロンダイムの連載はコーディネートを担当させていただきました。ネミリの連載は詩的な感じ。トロンダイムの連載はユーモアあふれる異文化体験記という感じです。トロンダイムはいい絵を描くなあ。機会があれば、こちらも読んでみてください。

ここ2年、『ふらんす』ではフランス語圏の作家のBD連載はなく、日本のマンガ家じゃんぽ~る西さんの「フランス語っぽい日々」とその奥さんのカリン西村=プペさんによる「C'est vrai?」が連載されています。国際結婚ならではのエピソード満載で、じゃんぽ~る西さんの連載も異文化に興味がある人なら必読のエッセイマンガですよ。

ということで、雑誌『ふらんす』の連載、よろしくお願いします。

category: 日記

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